象の孤児院レポート
(2003.10.21)
ぞうさんペーパーの工場の近所にある「ピンナワラ・象の孤児院」は、
とても楽しい場所です。
ぞうさんペーパーは、この孤児院の「ウンチ」を
リサイクルして作られます。
そこで、今回はこの「象の孤児院」をレポートさせていただきます。
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さて、この孤児院の入り口の写真です。
大勢の観光客が来ています。
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この「ピンナワラ・象の孤児院」は1975年に、スリランカ政府の管轄によりスタートしました。当初は5頭の赤ちゃん象がいたそうです。スリランカでは、人間とのトラブルや象牙目的などにより殺された象の子供が迷子になり、水田などに落ちたり、民家に迷いこんでトラブルをおこしたりすることが多くあります。
1983年に第3セクター的な管理下に移行され、現在は64頭の象が生活をしています。64頭の内22頭はこの孤児院で産まれた第2世代です。他の62頭はジャングルから保護されて来ました。
中には第3世代の象もいるそうです。
さて、この象の孤児院の1日を簡単に説明させていただきます。
8:00 森で遊ばせます。
10:00 川へ連れて行きます。
水を飲んだり行水したりします。とても楽しそう。
12:00 森へ連れて行きます。(リリース)
14:00 川へ連れて行きます。
16:00 メインスペース(寝床)に帰ります。
御飯(草)を食べている最中にチェーンでつなぎます。
(食べている時にチェーンをつなぐのがいちばん楽)
夜中、寝たり食べたりしながら、やがて朝を迎えます。
(2時間おきに寝たり起きたりのパターン。毎日この繰り返し)
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赤ちゃん(4歳以下)はミルクを与えます。(1日5回)
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◎ミルクのサイクル
6:00 7ボトル (750ml/1ボトル)
9:15 7ボトル
13:15 7ボトル
17:00 7ボトル
20:00 7ボトル (ミルクだけでなく、草も食べます。)
大人の象は5種類の草を食べます。
1. ココナッツの葉
2. ジャックフルーツの葉
3. キトュルの葉(椰子の一種でスリランカ特有)
4. キトュルの木の幹の中身(白くて甘いらしい)
5. 他の草 (日替わり)
64頭が食べる草の量は、1日約13トンです。
大人のオス1頭が200kgから250kgの草を毎日食べます。
その他に、ペレットという栄養剤も500gから1kg程、与えています。ちなみにプリマ社という業者のペレットです。
食料コストですが、1kgあたり約7円かかります。
以前は赤字つづきの孤児院でしたが、最近は観光客が増えて入場料で賄えるようになりつつあります。
入場料はスリランカ人が25ルピー(30円)、外国人が200ルピー(240円)、南アジア地域協力連合(SAARC)の国々は100ルピー(120円)です。観光客のほとんどはヨーロッパ人、次にアフリカ、中東諸国、そしてアジア人の順です。
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孤児院の広大な敷地で、たくさんの象の糞に指をさす私。
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今回はこの象の孤児院のチーフ獣医であるドクター・ラジャパクサさんと面会してきました。ドアをノックして入室すると、気さくな笑顔で迎えて下さいました。
握手、自己紹介をし、早速質問を開始しました。
Q:ここでは獣医としてどのような仕事をしているのですか?
A:まず第1に健康管理、衛生管理です。
爪を切ったりエクササイズをさせたり、食事の管理も大切な仕事です。そして病気の管理です。糞のチェックや、血液の検査も3ヶ月ごとにしています。最後に病状を判断して治療をします。
Q:医者であるあなたよりはるかに大きな象の管理や治療は大変危険ではないですか?
A:そうですね。赤ちゃんでも危ないです。実際、象の管理中に怪我をしたスタッフの治療もしています。やはり象の治療という業務が一番たいへんですね。
最初はフルーツなどを与えたりして友好的に治療を受けてもらいます。チェーンなどを使ったりもしますが、それでもどうしても言う事をきてくれない場合はやむおえず麻酔や薬品を使用します。
Q:今まで危険な目にあったりしたのですか?
A:ラッキーにも今のところは無事です。(笑)
セキュリティーには十分に神経を使っていますからね。
Q:ブリーディングプログラム(象のお見合い)について教えてください。
A:まずメスが発情期に入ったらすぐに、相手のオスを決定します。
2001年に4頭産まれました。2002年はなし。
現在は1頭が妊娠しています。
Q:どうしてこの仕事に就こうと思ったのか教えてください。
A:かつてスリランカでは人間と象の争いが絶えませんでした。
人間の人口が増え続けるにつれ、農場や民家が増えてジャングルがどんどん減り続け ていきました。ジャングルの象が、人間のテリトリーに来て、水を飲んだりしだして、そのうち人間の家を壊したり、危害を与えたりし始めました。
人間は象を追っ払い始め、時には殺したり、銃で撃ったり..。
その結果、赤ちゃん象がとりのこされたり、農地に迷い込んだり、水路に落ちたりする事故が多発しました。
私は子供の頃から象が大好きでした。自分は赤ちゃん象を守るためにこの仕事に就こうと思ったのです。
Q:将来的には、もとのジャングルにかえしてあげるのですか。
A:それは難しいでしょう。もとのジャングルではもはや生存してはいけないでしょうね。
しかしながら私は、ここの象たちをできるだけ自然のジャングルと同じ環境で生活させたいと考えています。
私の仕事は、象の人口を増やす事が目的ではありません。
象にとっての自然の生活環境をできるかぎり残してあげるのが最終的な仕事だと思っています。象やそのまわりの生態系のバランスを守ることが1番の目的です。
Q:最後になりますがドクターにとって、幸せを感じる瞬間はどんな時ですか。
A:もちろん苦しんでいた象が自力で起き上がり、元気になってくれた時ですよ。病気で倒れこんでしまった象が、いろいろな治療のあと自力で起き上がってくれた瞬間は、すごく嬉しいですね。
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目の見えなくなった象
1日中ひとりぼっちで過ごしていました。 |
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背後から迫ってくる象の大群に気づかずに、のんきに
記念写真のポーズをとる私。(注・非常に危険な状況)
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以上、粗末で簡単ですが、象の孤児院レポートでした。
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